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【クローズアップ科学】人と共存する「ソフトロボット」 しなやかに進化 介護・災害で活用へ

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【クローズアップ科学】
人と共存する「ソフトロボット」 しなやかに進化 介護・災害で活用へ

人工筋肉を使ったサポートスーツ(鈴森康一東京工業大教授提供) 人工筋肉を使ったサポートスーツ(鈴森康一東京工業大教授提供)

 鈴森教授は全長20メートルの樹脂製の袋にヘリウムを充填(じゅうてん)したアーム状のインフレータブルロボットを開発した。災害現場の調査用で、先端にカメラが付いており、20個の関節は人工筋肉で動く。天井や壁に当たりながら、手探りするような動きで建造物の内部を撮影する。ヘリウムを抜いて巻けば片手で持つことができ、重さもわずか980グラムで運ぶのも容易だ。

 樹脂のような安く軽い材料でロボットができれば、低コストで大量生産できる可能性もある。

異分野が連携

 東大の中嶋浩平特任准教授は、ソフトロボットの制御に応用しようとタコの運動の仕組みを研究している。

 タコの足は、直前の動きによってゆらゆらと曲がりくねり、後の動きに影響を及ぼす。過去の動きを柔らかい体が記憶しているともいえる。中嶋氏はタコ足型のロボットに曲がりを測定するセンサーを取り付け、足を振ることで複雑な計算をする手法を開発した。このタコ足はロボットの体であり、知能でもあるのだ。

 ソフトロボットは動力源や構造、材料、知能などの境界がはっきりせず、一体となってその能力を発揮する。ロボット開発と縁が薄かった生物や材料などの異分野が連携して取り組む必要がある。「今まで出会わなかった研究者が融合する」(鈴森教授)ことで、ロボットの新境地が開かれつつある。

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