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【聞きたい。】古谷田奈月さん『無限の玄/風下の朱』 書かなければ生きられない

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【聞きたい。】
古谷田奈月さん『無限の玄/風下の朱』 書かなければ生きられない

古谷田奈月さん(萩原悠久人撮影) 古谷田奈月さん(萩原悠久人撮影)

 今、最も勢いのある若手作家の一人だろう。5月に「無限の玄(げん)」で三島賞を受賞し、「風下の朱(あか)」が芥川賞候補作になった。前者の登場人物は男性のみ、後者は女性のみ。対になる両作品を1冊の本にまとめた。

 「『無限の玄』は男性だけの話。公平さを欠いているような落ち着きの悪さを感じ、次は女性だけの物語を書こうと思いました」

 「無限の玄」は気性の激しい父親と、息子たちを中心にした男性5人組の旅回りバンドの物語。急死した父が生き返り、息子たちを振り回す様子が描かれる。日常にファンタジー要素が自然と入り交じり、独特の軽妙さと仄暗(ほのぐら)さを醸し出す。

 「風下の朱」に登場するのは、野球部に所属する女子大学生たち。青春小説の爽やかさを漂わせつつ、「魂の健康」をめぐる部員同士の対立や、女性であるがゆえの葛藤も描かれる。自身、ソフトボール経験者でポジションは捕手。「全て自分のこと(経験)で書いたシンプルな作品です」

 幼い頃から本と物語が好きだった。その一方、小学生の時、自分が学校にいる意味が理解できないなど、所属する共同体への違和感を抱え続けた。中学校ではソフトボール部部長も務めたが、集団競技への適性の無さを悟り、部活動を“放棄”。不登校も経験した。

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