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【アート 美】米ノグチ美術館 生活と芸術 軽やかにつなぐ

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【アート 美】
米ノグチ美術館 生活と芸術 軽やかにつなぐ

大小の「AKARI」が雲のように空間を埋め尽くす=ニューヨークのノグチ美術館(黒沢綾子撮影) 大小の「AKARI」が雲のように空間を埋め尽くす=ニューヨークのノグチ美術館(黒沢綾子撮影)

 20世紀の偉大な彫刻家の一人であり、家具や照明、舞台装置、陶芸、庭、公園…と幅広く制作を展開したイサム・ノグチ。没後30年にあたり日本でも回顧展が開かれるなど、その芸術と人生に改めてスポットが当てられている。

 詩人の野口米次郎を父に、米国人の作家、レオニー・ギルモアを母にロサンゼルスで生まれたノグチの生涯は、人種や国境、政治情勢などにたびたび切り裂かれ、辛苦を伴った。しかしだからこそ、彼は世界各地を旅する国際人として、多様な文化に“越境”しては、その影響や経験を自らの作品の中に融合させた。

 ノグチは晩年、香川県牟礼町(むれちょう)(現・高松市)に住居とアトリエを構えて石彫に取り組んだが、米国の制作拠点はニューヨークのロングアイランドシティにあった。アトリエの向かいの建物を改装し1985年に自らオープンさせたのが、「ノグチ美術館」だ。もとは写真製版工場だった20年代の建物を再利用しつつ、ノグチが新たに設計した建物と庭園から成る。

 1階ではノグチ自らが選び、配したという彫刻作品、および名作家具が常設展示されている。雨風も入ってくる武骨な展示スペースに、ノグチ晩年の作品-牟礼で制作した玄武岩の石彫が立つ。自然の荒々しさと、人の手の痕跡のバランスが絶妙。抽象なのに有機的で、生命の気配や温度まで感じさせる。

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