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【書評】『じっと手を見る』窪美澄著

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【書評】
『じっと手を見る』窪美澄著

『じっと手を見る』窪美澄著 『じっと手を見る』窪美澄著

 石川啄木の歌集を想起させる表題作はじめ、登場人物の視点ごとに章立てした7つの短編集。

 日奈と、元恋人の海斗は介護士。別の施設で働きながらも、互いを意識して過ごしている。突然父母を亡くし、代わりに富士山を望む町で育ててくれた祖父も見送った日奈は、新たに出会った編集者と東京で住むことを夢見る。一方の海斗は、子供連れの女性と町に残って生活することを考える。

 働いても働いてもいっこうに楽にならないなか、誰とどこで、どう暮らすか決断を迫られる。若者の悩む日々や生きづらさを描いて、第159回直木賞候補になった。(幻冬舎・1400円+税)

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