産経ニュース

刻々と変化する表情…「水を描く」展

ライフ ライフ

記事詳細

更新


刻々と変化する表情…「水を描く」展

奥村土牛 「雨趣」1928(昭和3)年 絹本・彩色 山種美術館蔵 奥村土牛 「雨趣」1928(昭和3)年 絹本・彩色 山種美術館蔵

 豊かな自然とともに水に恵まれた日本。雨や滝など水をモチーフにした日本美術の優品も多い。水を描いた作品を集めた企画展「水を描く」が、東京都渋谷区の山種美術館で開かれている。

 現代日本画壇の重鎮だった奥村土牛の「雨趣(うしゅ)」は、東京・麻布あたりの風景を高台から描写した風景画。曇った空に浮かぶ白い雨は、濃淡の違う無数の線となって空気を煙らせ、屋根の瓦や木々の葉をしっとりとぬらす。湿気でもやっとした雨の情景を巧みに表現した。代表作とされる「鳴門」の渦潮の力強さとは趣が異なり、叙情的で繊細。画家の力量を示す。

 海景が魅力なのは大正から昭和期に活躍した小野竹喬(ちっきょう)の「沖の灯」。暗闇が迫る海を情感たっぷりに描いた。夕焼け空の薄いピンク色を帯びた雲が波打つ海面に映り込む。重厚な青い海と雲を単純化した構成はモダンでさえある。

 同美術館のコレクションの中から厳選して約50点を展示。強い線で強調された雨とともに人物を劇的に描いた歌川広重(初代)の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」(8月7日から展示)など江戸時代の名作のほか、横山大観、川合玉堂、東山魁夷、平山郁夫ら近現代のそうそうたる画家の作品が一堂に。

続きを読む

「ライフ」のランキング