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松下康雄氏死去 志半ばで総裁の座退く 危機脱却、日銀改革に尽力

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松下康雄氏死去 志半ばで総裁の座退く 危機脱却、日銀改革に尽力

1990年4月、太陽神戸三井銀行誕生の式典でテープカットする(左から)松下康雄会長、橋本龍太郎蔵相、末松謙一頭取=東京都千代田区 1990年4月、太陽神戸三井銀行誕生の式典でテープカットする(左から)松下康雄会長、橋本龍太郎蔵相、末松謙一頭取=東京都千代田区

 「新たな時代へ確固たる足固めが必要だ」。松下康雄氏は日銀総裁だった平成10年の年頭所感で、金融危機からの脱却を目指して力強く宣言した。だがわずか3カ月後、接待汚職事件に足をすくわれ、尽力してきた日銀改革の志半ばで総裁の座を退いた。

 総裁時代は苦難の連続だった。就任直後の7年1月に阪神大震災に見舞われ、歴史的な円高にも直面した。9年には消費税増税の影響で、国内の景気が失速。北海道拓殖銀行や山一証券などの経営破綻が相次ぎ、金融システムへの不安が広がった。バブル後遺症にあえぐ日本経済の再生に向けて奔走した。

 続発する危機に対応する傍ら、戦時立法として制定された中央銀行制度の改正に注力。9年6月には、独立性や透明性の向上を理念とする新日銀法の可決・成立にこぎつけた。新日銀法の趣旨に沿って政策運営する意向を表明していたが、10年4月の施行目前に無念の退任となった。

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