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【話の肖像画】原子力規制委員会前委員長・田中俊一(2)飯舘村で手探りの除染活動

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【話の肖像画】
原子力規制委員会前委員長・田中俊一(2)飯舘村で手探りの除染活動

原子力規制委員会の委員長として会見(中央) =平成24年9月、東京都内(三尾郁恵撮影) 原子力規制委員会の委員長として会見(中央) =平成24年9月、東京都内(三尾郁恵撮影)

 このまま福島での活動を続けるかどうか迷いましたが、霞が関(規制委)に行って福島の状況を伝え続けるのも大事だという思いと、相談した何人かの方からの後押しもあって引き受けました。

 〈規制委は従来の原子力安全・保安院が原発推進側の経済産業省に属していた反省から、環境省の外局として高い独立性を持たされた。一方、田中氏を初代委員長とする人事案は発表前に事前報道され、その経歴から反対論も噴出した〉

 私はよく「原子力ムラの住人」と批判されますが、本当は原子力ムラで村八分されていた者なんですよ(笑)。大学で原子力を教えている人や学会には、いつまでたっても1960年代と同じ価値観を持っている方が多い。たとえば私は、高速増殖炉は物理的に人間がコントロールするのは極めて困難な技術だからやめたほうがいいと言ってきた。ウラン資源は山ほどあるのだから、核燃料サイクル、プルトニウム利用には何の得もないと考えています。原子力の関係者が科学的に考えることができず、安全神話の中で安心していた、その結末が福島原発の事故ではないのですか。私はそう思っています。

 〈24年8月1日、衆参両院の議院運営委員会で行われた所信聴取で「日本のために身を投げ出すべきではないかと思い、就任を決意した」と語った。規制委は9月19日に発足する〉

 国会での人事面接は、ダメならダメでと、さばさばした気持ちでした。ただ、規制委員の国会承認は年明けに先送りされ、“仮免許”のスタートとなりました。(聞き手 鵜野光博)

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