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【アート 美】「モネ それからの100年」展 光の移ろい…追い続けて

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【アート 美】
「モネ それからの100年」展 光の移ろい…追い続けて

福田美蘭「睡蓮の池 朝」2018年6月 アクリル、パネルに貼った綿布 作家蔵 福田美蘭「睡蓮の池 朝」2018年6月 アクリル、パネルに貼った綿布 作家蔵

 高層階のレストランから、眼前に広がる大都会の夜景。店の内観がガラスに映り込み、ライトの光が乱反射している。実像と虚像が交じり合い、見ているうちに浮遊感をおぼえる。

 画家、福田美蘭さんの新作「睡蓮(すいれん)の池」。縦227センチ、横182センチの大作だ。

 なぜ睡蓮? そう思ったら、もう一度絵を見てほしい。何となく、夜景に浮かぶ丸テーブルとキャンドルの光が、きらめく水面に浮かぶ睡蓮に見えてきませんか。そう、印象派の巨匠、クロード・モネが繰り返し描いた睡蓮の池に-。

                   

 横浜美術館で開催中の「モネ それからの100年」展には、初期から晩年までのモネの絵画25点に加え、モネとの類似性や影響が見られる後進作家の66点を合わせて展示している。「印象派の巨匠」という歴史化されたイメージを超えて、モネの絵には現代のアートに通じる、数々の先駆性があった。「モネと現代の結びつきを探ることで、モネ芸術の革新性、普遍性を浮かび上がらせたい」と同館主任学芸員の松永真太郎さんは狙いを語る。

 例えば、形なきものへのまなざし。モネは「積みわら」「ルーアン大聖堂」など同じモチーフを幾度も描いたが、結局彼の最大の関心は特定の物体ではなく、光の移ろいや、大気や水のゆらぎなど、形なき一瞬の刹那だった。「テムズ河のチャリング・クロス橋」など1900年前後のロンドン滞在期の作品では特に、もうろうとした霧と輝く光、重層的な色彩の中で、風景は溶けて抽象化してゆく。風景に没入するような感覚は、20世紀の抽象画家、マーク・ロスコの瞑想(めいそう)的ビジョンにも通じる。

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