産経ニュース

書いて舞う! 紙の上の青春 書道パフォーマンス甲子園に茨城県勢初出場 水戸葵陵高書道部

ライフ ライフ

記事詳細

更新


書いて舞う! 紙の上の青春 書道パフォーマンス甲子園に茨城県勢初出場 水戸葵陵高書道部

巨大な紙の上で演技の練習をする水戸葵陵高書道部の女子生徒ら=12日夕、水戸市千波町 巨大な紙の上で演技の練習をする水戸葵陵高書道部の女子生徒ら=12日夕、水戸市千波町

 甲子園を目指す高校球児の戦いが県内で繰り広げられる中、もう一つの“甲子園”に向け、水戸市の水戸葵陵(きりょう)高書道部の練習が熱を帯びている。同部は厳しい予選を勝ち抜き、「書道パフォーマンス甲子園」と呼ばれる全国高校書道パフォーマンス選手権大会に県勢で初めて出場を決めた。

 「動きが遅いよ!」「今のいいよ、そろってる」

 12日夕、同高の体育館で、書道部の女子生徒15人が練習をしていた。音楽に合わせて筆を走らせたり、踊ったりして、すっかり汗だくだ。振り付けの微調整や動線の確認など、この日の練習は2時間以上に及んだ。

 書道パフォーマンスは、音楽に合わせて演舞をしながら、12人で縦4メートル、横6メートルの紙に作品を書き上げる。制限時間は6分。書の美しさや紙面構成とともに、ストーリー性や独創性などが評価される。春に映像や書類などによる予選審査が行われ、水戸葵陵高書道部は関東ブロック22校中3位で本戦出場を決めた。

 同部は9年連続で全国高校総合文化祭に出場する名門だ。しかし、書道展で賞をもらうのは個人。顧問の辻哲一教諭(49)は「全員に光を当ててあげたい」と考え、生徒に書道パフォーマンス甲子園への挑戦を提案した。

 初挑戦の昨年は、関東ブロック10位で予選敗退。辻教諭は「テーマ性に欠けていた」、3年で部長の江幡里奈さん(18)は「パフォーマンスが全国レベルではなかった」と冷静に敗因を分析する。

 雪辱を果たすため、29年8月ごろから準備を進めてきた。話し合いを重ね、作品テーマは「平和への祈り」に決定。戦争や自然災害に苦しめられてきた日本人として、平和のために何ができるのかを考え、表現する。

 また、パフォーマンス性の向上を目指し、同高OGで新体操やバレエの経験がある先崎(まっさき)友紀子さん(30)をコーチに迎えた。先崎さんは布を使った演出や、そろえやすい振り付けを考案。生徒たちは体幹を鍛える筋力トレーニングにも励み、予選審査ではパフォーマンスで高い評価を得た。

 体育館を使った練習は週2回ほどだが、夏休みに入れば連日の予定だ。江幡さんは「練習の量や密度は昨年以上。昨年の敗退のおかげで気合が入っている」と語る。予選以上のパフォーマンスを目指し、3年生を中心に改善案を出し合っている。

 3年生はこの大会で引退となる。「目標は優勝」と話す江幡さん。決戦は29日、愛媛県で行われる。紙の上に青春をかけた書道ガールズの戦いが見逃せない。(上村茉由)

「ライフ」のランキング