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【話の肖像画】大原美術館館長・高階秀爾(3) 街で生きた美術を学ぶ

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【話の肖像画】
大原美術館館長・高階秀爾(3) 街で生きた美術を学ぶ

高階秀爾氏(三尾郁恵撮影) 高階秀爾氏(三尾郁恵撮影)

 若いときにパリで新しい美術の潮流に触れ、多くの現代作家と交流し、生きた美術を見たことは大きな収穫です。それが現代美術の評論を行うことに結びついたと思うのです。

 〈美術史の研究のみならず、現在も若手美術家の個展に通い、優れた美術評論を書いている〉

 僕がパリ大学付属美術研究所で教えを受けたアンドレ・シャステル先生は、現代美術の評論もやっていました。フランス・アカデミズムの中ではやや特異な存在で、周囲からは「なんで美術史家が現代美術を?」と皮肉を言われながら、先生は当時大人気だった画家のベルナール・ビュフェの悪口を書いたりしていたのです。僕は先生を見ていて、美術史を学びながら現代作家の評論をしてもいいのだと思いました。

 僕は過去の美術の美術史学と現代美術の評論は別のものだとは思っていません。古いものは当時の現代美術です。つまり現代作家を評価するのと同じことです。現代に生きている作者なら、作品について実際に聞きながら評論できます。しかし17世紀のスペインで生きたディエゴ・ベラスケスには直接聞くことはできません。ですから、歴史的な当時の文献や画家の言葉を調べるわけです。

 作品はものを言わないですが、作品に語らせるのが美術史家です。作品を語ることは過去も現代も同じで、現代を生きるわれわれが歴史の証人になるのです。(聞き手 渋沢和彦)

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