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【世界のかたち、日本のかたち】北は米の保護下に入るか 大阪大教授・坂元一哉

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【世界のかたち、日本のかたち】
北は米の保護下に入るか 大阪大教授・坂元一哉

合意文書の署名式で握手する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領=6月12日、シンガポール(ロイター) 合意文書の署名式で握手する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領=6月12日、シンガポール(ロイター)

 史上初の米朝首脳会談(6月12日)で米国のトランプ大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に、まるで映画の前宣伝のようなビデオを見せて選択を迫った。このまま非核化しないで戦争への道を進むか、それとも非核化して平和と繁栄の道を歩むかの選択である。

 伝統的な外交では考えにくいやり方だが、会談後の共同声明は、金委員長が後者の道を選んだことを示すように読める。委員長は声明のなかで、朝鮮半島の「完全な非核化」を約束し、トランプ大統領は北朝鮮に「安全保証」の提供を約束した。

 「完全な非核化」については、その意味の曖昧さなどから、金委員長には実は非核化の意思がなく、ごまかししか考えていないとの見方もある。実際、会談から1カ月がたつが、先日のポンペオ米国務長官の訪朝にもかかわらず、非核化にはまだ具体的な進展がない。

 ただ、金委員長がいう「完全な非核化」の実質が何であれ、それが米国を満足させる非核化でなければ、米国は国際社会を巻き込んだ経済制裁を続けるだけだろう。共同声明で米国は、制裁解除について何の約束もしていないのである。

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