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【主張】東海第2「合格」 運転延長と再稼働へ急げ

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【主張】
東海第2「合格」 運転延長と再稼働へ急げ

 40年間の運転期限が迫る中での「合格」だ。

 茨城県東海村にある日本原子力発電東海第2原発(沸騰水型・出力110万キロワット)の「審査書案」が原子力規制委員会によって了承された。

 安全審査の、事実上の合格である。

 東京電力福島第2原発の4基の廃炉が決まると日本の発電用原子炉は3・11前に比べて19基減の35基になる。この状況での合格は意味が大きい。

 しかも、合格例が少ない沸騰水型であることに注目したい。これまでに合格した原発は、地理的には西高東低であり、炉型では加圧水型優位だった。

 こうした偏りの解消を進める上でも、東海第2原発の安全審査合格が待望されていた。

 ただし、同原発は今年11月末に運転開始から満40年を迎える。それまでに、安全対策工事の詳細設計に関わる工事計画の認可と運転延長の認可を規制委から得なければ、廃炉になり得る。

 あまり余裕のない日程である。審査に当たる規制委と事務局の原子力規制庁には、日本原電との連絡を密にして効率的に審査を進めてもらいたい。

 これらの課題をクリアしても、次には再稼働などへの地元同意という難関が待っている。東海第2原発の場合は、地元の東海村に加え、周辺の5市から「実質的事前了解」を得るという安全協定が結ばれているためだ。

 課題は多いが、日本原電は進取性に富んでいる。昭和40年に日本で初めて商業原発の運転を開始したのは同社である。また沸騰水型と加圧水型、2タイプの原発を保有しているという点においては、人材の多彩さを物語る。

 東海第2原発も東日本大震災の大津波に襲われたが、日本原電はその半年前に津波対策を自主的に講じていたので、広域停電による外部電源喪失にもかかわらず、大事に至ることなく原子炉を無事に冷温停止させている。

 こうした実績を日本原電は社会に向けて積極的に発信し、信頼感の厚みを増すべきである。だが原発への逆風は強い。再稼働に関わる地元6市村の理解獲得は、日本原電1社の手に余ろう。

 こうした正念場こそ、国が前面に出て調整を図るべきである。原子力発電は国策民営で進められてきた。困難の解決を、民にのみ預けるのでは無責任に過ぎる。

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