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【多田欣也のガーデニングレッスン】(17)植物は「神経質で図々しい」

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【多田欣也のガーデニングレッスン】
(17)植物は「神経質で図々しい」

 動物と違って動けない植物ですが、自分の意志(あればですが)とは別に、われわれ人間によっていろいろな場所に移動させられます。

 一度土に根を下ろした植物は自ら動けないので、その場所で「よし、頑張って子供をたくさん作るぞ」と思っているはず。与えられた環境に適応して頑張るわけです。それでも人間は勝手ですから、生産者からお店、皆さんのような花の愛好家とさまざまな所に移動させますね。明るさも温度も水やりの間隔も違います。まあ、ここまでは仕方ありませんが、終(つい)の棲家(すみか)が決まったら、あまり移動させたくありません…。ただしそこが良い環境、我慢できる環境の場合ですけどね。

 観葉植物などの原産地は暖かいジャングルみたいな場所が多いため、皆さんの中には「いつも部屋の中ではかわいそうだから、たまにお日さまに当ててあげましょう」などと思い、カンカン照りの時にベランダなどに出す人がいます。それまで日の当たらない部屋の中でおとなしく暮らしていたのに、急にお日さまに当てられては、植物は日焼けを起こしてしまいます。

 もし新鮮な外気に当てたいときには曇りや雨の日に出すことです。それを何度も繰り返し、少しずつ慣らしてからお日さまに当てるべきです。中から外に出すとき、逆に中に取り入れるときは、時間をかけなくてはなりません。急に環境が変われば、順応できない古い葉を落とすことで身を守ろうとするのです。

 「植物は神経質なのに図々しい」ものです。その場所に慣れたらあまり動かさない方がよい場合が多く、しばらくたつと、その場所に合った新芽が出てくるでしょう。

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【プロフィル】多田欣也

 ただ・きんや 岩手県出身のガーデンデザイナー。園芸講師、花の企画社取締役。著書に『はじめての寄せ植え きんや先生の園芸教室』、イラストエッセー『二十世紀酒場』がある。

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