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黒木亮さん新刊「島のエアライン」 天草が舞台の実名ドラマ

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黒木亮さん新刊「島のエアライン」 天草が舞台の実名ドラマ

「初代みぞか号」を追ってノルウェーを訪ねた著者の黒木亮さん(右)=2017年夏(黒木さん提供) 「初代みぞか号」を追ってノルウェーを訪ねた著者の黒木亮さん(右)=2017年夏(黒木さん提供)

 厳しい現実の中にこそ夢は見つかる-。黒木亮さん(61)の新作『島のエアライン』(上下巻、毎日新聞出版)は、熊本を拠点とする小さな航空会社「天草エアライン」の歴史を物語風に描いたノンフィクションノベル(実録小説)だ。多彩なジャンルで、重量感のある物語を発表し続けているが、「実名でかつドラマがあるものが一番説得力があると思っていて、今回はそれができたと思います」と語る。

 ◆曲折のテイクオフ

 「人口15万人の島が85億円をかけて空港を造り、さらに自前の航空会社を設立して旅客機を飛ばしたらどうなるか…という波瀾(はらん)万丈の実話です」

 天草エアラインは熊本県や地元市町が出資する第三セクター。新設の天草空港に就航便がなかったために立ち上げられた異色の航空会社だ。平成12年から天草と福岡、熊本などを結ぶ便を飛ばしている。保有するのは1機だけ。

 その機にたまたま搭乗して興味を抱いた。「スタッフが近所のおばさんとかお兄さんという感じで、面白いなぁと。雲仙岳を間近に見るフライトも楽しかった」。取材を申し込み、3年間かけて資料を集め、熊本へ通い、関係者の話を聞いて歩いた。

 関係する組織や人物は、すべて実名で登場する。巨費を費やした空港建設、いいかげんなリゾート計画の白紙撤回、税金を使って飛行機を飛ばすことへの批判…。かなり手厳しい話もビシバシ書かれている。

 「たしかに、みなさん現役だったりするので気も遣いましたが、どんなことにも賛否両論はあるし、失敗があったり苦しかったりもする。厳しい現実の中にいるからこそ、こうありたいという夢が描けるものですしね」

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