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【書評】作家・明野照葉が読む『哲学者190人の死にかた』 今を充実して生きるために

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【書評】
作家・明野照葉が読む『哲学者190人の死にかた』 今を充実して生きるために

『哲学者190人の死にかた』 『哲学者190人の死にかた』

 人は生まれながらにして不平等だが、誰しも死を迎えることにおいては平等だ。だが、どんな偉人、哲人も死ねば語れず、死後のことは闇の中。それゆえ死は永遠のテーマたり得るのかもしれない。

 本書は英哲学者の著者が、「哲学とは死を学ぶこと」としたキケロ、「人に死を教えることは生きることを教えること」としたモンテーニュの思想に依拠。哲学は死への準備であり、死に方には思想があるとして哲学者たちの「死に様(ざま)」を記述したものだ。

 登場するのは、ソクラテス以前から20世紀の哲学者まで190人。いくつか例を挙げると、ディオゲネスは自分で息を止めた/トマスモアはさらし首/ルソーは犬と激突死/ベイコンはアヘンの過剰摂取/カミュは自動車事故…と、奇禍にして非業の感が漂う。

 しかし、よく読めば圧倒的に病死が多く、何せおよそ2300年間という長きにわたる190人ものサンプルだ。哲学者ならずとも、そうした死を遂げた人間は、同じ数ほどいるだろう。

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