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【聞きたい。】折原一さんの『ポストカプセル』 「歳月の重み」が生むドラマ

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【聞きたい。】
折原一さんの『ポストカプセル』 「歳月の重み」が生むドラマ

折原一さん 折原一さん

 ある日、15年前に投函(とうかん)された手紙が届く。「ポストカプセル」と書かれたビニールに包まれ、表面にはこうも記されていた。《歳月の重みを感じとってください》。手紙の文面は-。

 「科学万博(昭和60年)で、(16年後に配達する)ポストカプセルがあって、おもしろいと思っていた。亡くなったおじいさんや昔の自分からといった心温まるものならいいが、異常なケースだったらどうか」

 本書に登場するのは、結婚を申し込み、返事を聞くために会う日時、場所を伝える手紙、人を殺して自殺するという遺書、脅迫状や文学賞受賞通知など。それぞれの受取人、送り主の戸惑い、喜怒哀楽と「歳月の重み」が織りなす人間模様が描かれる。

 「今はメールもあるが、手紙はやりとりに時間もかかり、ドラマがある。まして15年もたっていると…」

 そのドラマに折原さんの代名詞「叙述トリック」が深みを与える。物語や登場人物の設定、状況など読者の先入観、固定観念から事実誤認させ、ミステリーの迷宮に誘うもの。本書のネタは明かせないが、「長年続けてきた作風のまとめのような作品になった」。

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