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【書評】元凶は“血”のパニック・サスペンス小説 『鵜頭川村事件』櫛木理宇著

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【書評】
元凶は“血”のパニック・サスペンス小説 『鵜頭川村事件』櫛木理宇著

『鵜頭川村事件』 『鵜頭川村事件』

 昭和54年6月。岩森が亡き妻の故郷、X県鵜頭川村(うずかわむら)を6歳の娘と墓参りで訪れるところから始まるパニック・サスペンス小説だ。

 豪雨による土砂崩れで道路が寸断されて村が孤立する中、若者の刺殺体が発見される。問題児で知られる有力者の息子に疑惑の目が向けられるが、事件はうやむやにされてしまう。そこで、家事都合のため東京への進学をあきらめた1人の若者が自警団を結成するものの、扇動で暴徒化し…。

 岩森が娘を守りながら刺殺事件の真相に迫る中、村を狂気に陥れた騒乱の根源が最後に明らかとなる。元凶は“血”とだけ書いておく。(文芸春秋・1800円+税)

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