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曽野綾子さん新刊『納得して死ぬという人間の務めについて』 与えられた時を分相応に

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曽野綾子さん新刊『納得して死ぬという人間の務めについて』 与えられた時を分相応に

「私もどんなに長く生きても、あと10年くらい。限度があるのは救いです」と話す曽野綾子さん 「私もどんなに長く生きても、あと10年くらい。限度があるのは救いです」と話す曽野綾子さん

 誰もが迎える「死」と、人はどのように向き合えばいいのだろうか。作家の曽野綾子さん(86)が『納得して死ぬという人間の務めについて』(KADOKAWA)を刊行した。

 曽野さんは昨年2月、夫で作家の三浦朱門さんを91歳で見送った。自宅での介護、最期の別れを受け止め、いずれ自らに訪れる死にも踏み込んで描いているのが印象的だ。

 《彼が一番「携行」したかったものは、湯飲みでも、愛用の万年筆でもなく、多分私だったろう》

 朱門さんの棺(ひつぎ)に、好きなものを入れてあげてと促されたときの思いだ。63年あまり連れ添った夫婦の絆がしのばれ胸をつかれる。

 「三浦朱門と私は、本当によく話した。好みもいろいろ違い、けんかもしましたが、何でも二人で解決できると思っていた。今は一人でやらなければいけないので、それはずいぶん違います」

日常性取り戻す

 曽野さんは幼稚園から大学まで聖心女学院に学び、「人生は単なる旅路にすぎない」「人生は永遠の前の一瞬である」というカトリックの死生観に親しんで育った。空襲も体験し、長じては、実母と夫の両親の3人を自宅でみとり、死について考えることは日常茶飯事だった。それでもなお、最愛の夫の死に際して、《これまで、私は死について観念で書いていた》と記す。

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