産経ニュース

童謡100年 加藤登紀子さんに聞く 先人から贈られた宝物

ライフ ライフ

記事詳細

更新


童謡100年 加藤登紀子さんに聞く 先人から贈られた宝物

童謡運動が誕生した大正という時代は「私の原点」と話す加藤登紀子さん(喜多由浩撮影) 童謡運動が誕生した大正という時代は「私の原点」と話す加藤登紀子さん(喜多由浩撮影)

 7月1日は「童謡の日」(日本童謡協会制定)。今から100年前のこの日、児童向けの文芸雑誌『赤い鳥』が創刊され、それらの雑誌から多くの童謡が生まれた。童謡100年に合わせ『こころに生きつづける歌 童謡・叙情歌への想い』(共著・二宮清、産経新聞出版)を刊行した歌手の加藤登紀子さん(74)は「童謡は先人から贈られた宝物」と話す。(喜多由浩)

                   

 童謡には、加藤さんにとってちょっぴりほろ苦く、忘れられない思い出がある。東大在学中にシャンソン歌手としてデビュー(昭和40年)して間もない駆け出しのころ。地方のキャバレーで歌ったときだ。

 「シャンソンなんか全然聞いてくれない。『じゃあ何を歌えばいいんですか?』と聞くと、童顔の私をバカにして『童謡でも歌ってろ!』って。ドレスのまま、あぐらをかき、『七つの子』をアカペラ(伴奏なし)で歌うと、酔っ払ったおじさんたちがシーンとなって涙を流している。童謡って人の心の底まで染み込んでいるんだなって」

 このとき歌った『七つの子』には作詞者の野口雨情(うじょう)が、詩人として身を立てるため、息子を残して郷里の茨城から東京へ出奔したときの悲しい思いがにじんでいるという。加藤さんは野口の詩に強くひかれ、結婚・出産をへて幼い子供と過ごす時間が多くなったときに『赤い靴』(曲・本居長世(もとおり・ながよ))をタイトルにしたアルバムを発表する。

続きを読む

このニュースの写真

  • 童謡100年 加藤登紀子さんに聞く 先人から贈られた宝物

「ライフ」のランキング