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【明治の50冊】(21)内村鑑三「余はいかにしてキリスト信徒となりしか」 西洋と対峙した魂の遍歴

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【明治の50冊】
(21)内村鑑三「余はいかにしてキリスト信徒となりしか」 西洋と対峙した魂の遍歴

警醒社から刊行された『HOW I BECAME A CHRISTIAN』(北海道大学付属図書館蔵) 警醒社から刊行された『HOW I BECAME A CHRISTIAN』(北海道大学付属図書館蔵)

 内村鑑三の半生記である『余はいかにしてキリスト信徒となりしか』の原題は『HOW I BECAME A CHRISTIAN』。アメリカで刊行することを企図して英語で書かれた。なぜアメリカで?

 その淵源(えんげん)は宣教師大会という伝道ショーでの体験に求められる。札幌農学校時代にキリスト教徒となった内村は明治17年、23歳で単身渡米し、半年ほど養護院の看護人として働いたのち、新島襄の勧めでアマースト大に入る。温かく迎えた学長はある日、宣教師大会に内村を連れ出す。そのときの様子を、内村はこう記している。

 《このショーで最もひどい目にあうのは、たまたまその場に居合わせ、異教徒からの改宗者の見本となる人々です。…彼らは見世物(みせもの)として壇上にひっぱり出されます》

 引っ張り出された内村は、改宗の理由を15分以内で話すよう求められる。そんな短時間で魂の重大な変化を語ることは不可能だった。その代わり、誠実につづった魂の遍歴をアメリカで出版しようとしたのだ。

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