産経ニュース

芥川賞候補作、参考文献を明記せず掲載 講談社謝罪へ

ライフ ライフ

記事詳細

更新


芥川賞候補作、参考文献を明記せず掲載 講談社謝罪へ

小説「美しい顔」が掲載された「群像」6月号 小説「美しい顔」が掲載された「群像」6月号

 7月18日に選考会が行われる第159回芥川賞の候補になっている北条裕子(ほうじょう・ゆうこ)さん(32)のデビュー小説「美しい顔」をめぐり、執筆時に使用したノンフィクション作品などを参考文献として明示しないまま雑誌に掲載されていたことが29日、分かった。発行元の講談社は7月6日発売の文芸誌「群像」8月号で謝罪文と参考文献を掲載する。

 「美しい顔」は津波の被災地を、被災した少女の視点で描いた作品。今年の群像新人文学賞を受賞し「群像」6月号に掲載された。

 講談社によると、執筆の際に、ノンフィクション作家、石井光太さんの「遺体」(新潮社)や、被災者らの手記をまとめた「3・11 慟哭(どうこく)の記録」(金菱清編、新曜社)などを参考にした部分があり、遺体安置所の描写などで類似した表現があったという。

 東京都在住の北条さんは震災の被災地に行ったことはない、と説明していた。

 「遺体」を刊行する新潮社は「単に参考文献として記載して解決する問題ではない。類似箇所の修正を含め、引き続き誠意ある対応を求めています」などとするコメントを発表。石井さんも「当時取材をさせていただいた被災者の方々も含め、誠意ある対応を望んでいます」としている。

 群像編集部は、参考文献の著者をはじめ、被災地で活動に当たった関係者への配慮に欠けていたとして謝罪する。

「ライフ」のランキング