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認知症で財産動かせず…元気なうちに子らに任せる「家族信託」注目

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認知症で財産動かせず…元気なうちに子らに任せる「家族信託」注目

認知症で判断力が衰えると、不動産の売買や定期預金の解約などができなくなる(イラスト・小林弥生) 認知症で判断力が衰えると、不動産の売買や定期預金の解約などができなくなる(イラスト・小林弥生)

 超高齢化が進むなかで、最大の関心事のひとつは認知症だろう。平成28年度版「高齢社会白書」では、65歳以上の認知症患者は、24年に約462万人(7人に1人)だったが、37年には約700万人(5人に1人)になると見込まれている。認知症では介護の問題がクロースアップされるが、実は判断能力が衰えることで財産を動かせなくなってしまうという問題もある。トラブルを避けるため、元気なうちに家族に財産管理を任せる「家族信託」が注目されている。

 両親が施設に入居

 川崎市に住む女性(50)の両親は、同市内のマンションで夫婦2人、元気に暮らしていた。しかし2年前、父(84)の認知症が進み始め、特別養護老人ホームに入居することになった。すると母(86)も「1人暮らしより老人ホームに入りたい」と、自分で気に入ったホームを見つけてきた。

 両親の新生活がスタートしたが、費用の問題に頭を抱えることに。「別々の施設に入ったために月々の支払いは40万円を超えました。これから何年出費が続くのかと思うと、先が見えない不安に陥りました」

 そこで女性が考えたのが、両親がいなくなったマンションの売却。放置しておくと資産価値がみるみる下がってしまう。「早めに売って施設の費用に充てよう」と考えたのだ。

 ところが、不動産業者を訪ねて、事態は簡単なことではないと分かった。マンションの所有者である父親が認知症だということを話すと、売却の仲介を拒否されたのだ。所有者である父親の意思が確認できなければ、不動産の売買はできない、と。

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