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次世代加速器ILCで素粒子物理の進路を提示 早稲田大研究院教授・駒宮幸男氏

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次世代加速器ILCで素粒子物理の進路を提示 早稲田大研究院教授・駒宮幸男氏

駒宮幸男・早稲田大研究院教授=5月23日、東京都新宿区(伊藤壽一郎撮影) 駒宮幸男・早稲田大研究院教授=5月23日、東京都新宿区(伊藤壽一郎撮影)

 ILCではヒッグス粒子を大量に作り性質を詳しく調べるが、標準理論に基づく素粒子物理学がこの先、どういう方向に進むべきかを見極めることが重要だ。ヒッグス粒子が他の素粒子とどう結び付いているのかを高精度に測定し、標準理論のパターンと比べることで見えてくるだろう。

 当初の全長30キロの計画を20キロに変更したのは、財政的な事情もあるが、それより素粒子物理学の研究状況が変わったことが大きい。

 ヒッグス粒子は、ILCよりはるかに衝突エネルギーが大きい欧州合同原子核研究所のLHCが2012年に発見してしまった。さらに未知の素粒子は、LHCで発見できなかったことからILCで見つけられる可能性が下がった。それなら今後はヒッグス粒子を徹底的に調べることの方が科学的に重要で、それに最適化したということだ。

 日本にはこれまで、ILCのように巨大で国際的なプロジェクトの拠点になる研究施設がなかった。そういうものを初めて作るということの意義は極めて大きい。日本の国際的な活性化につながるだろう。

 ただ、日本が誘致するという姿勢を早く明確化しないと、欧米がILC構想に基づいた研究計画を立てられなくなり、構想自体が困難になる。政府は一刻も早く、誘致の姿勢を明確に打ち出してほしい。 (談)

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