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【聞きたい。】大高保二郎さん 『ベラスケス 宮廷のなかの革命者』 葛藤、苦悩が生んだまなざし

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【聞きたい。】
大高保二郎さん 『ベラスケス 宮廷のなかの革命者』 葛藤、苦悩が生んだまなざし

大高保二郎さん(早稲田大学名誉教授) 大高保二郎さん(早稲田大学名誉教授)

 「大学院生のときに、ベラスケスのまなざしが同世代の画家のそれとは大きく異なることを感じました。その理由をやっと納得できる形で提示できました」

 大高さんが言うように、ベラスケスのまなざしには時代を突き抜けた何かを感じる。〈セビーリャの水売り〉に見られるように冷徹な観察眼と目に映るものを効果的にキャンバスに定着させる卓越した技術を持った彼は、時間と運動を筆のひと刷(は)きで表現する手法を完成させたり、〈ラス・メニーナス〉のように鑑賞者を作品に取り込んでしまう三次元的構図を発明するなど、絵画にさまざまな革命をもたらした。加えて、宮廷に雇われていた矮人(わいじん)の肖像画では、人間の尊厳を見事に描き出している。彼は宮廷や社会の序列を超えたまなざしを持っていた。

 「そうしたまなざしを持ち得た根本的理由は、出自にあったと私は考えます。もちろんすべてを出自につなげることは危険ですが」

 近年の研究によれば、ベラスケスがコンベルソ(キリスト教に改宗したユダヤ人)の血を引いていたことはほぼ確実らしい。

 「彼の実証的かつ冷徹な計算が働いた作品には、対象を冷徹に見つめたスピノザやモンテーニュと相通じるところがあります。このふたりもコンベルソの血を引いています」

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