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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈28〉】SNS上の空騒ぎ

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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈28〉】
SNS上の空騒ぎ

RADWIMPSの野田洋次郎さん RADWIMPSの野田洋次郎さん

商魂が優先か

 長編アニメーション映画「君の名は。」(新海誠監督)の主題歌で大ブレークしたロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」が6日に発表した「HINOMARU」をめぐって空騒ぎが起こっている。SNS(会員制交流サイト)などで「軍歌のようだ」「特攻を連想させる」という非難の声があがり、続いてツイッターには、廃盤にして二度と歌わせないようにするための抗議活動を呼びかけるアカウントまで登場した。

 それほどインパクトのある楽曲なのか。さっそく歌詞に目を通し、何度も聴いてみた。結論から言えば曲は平板で、歌詞は、ナショナリズムが燃え上がるサッカーのワールドカップと連動したいという商魂が丸見え。谷村新司さんの「昴」の世界観をまねたようにも感じられる。10点満点で採点すれば3点というところだ。これを聴いて「国歌にすべき」などというツイートをする者もいるが、「耳は確かか? 気は確かか?」と突っ込みたくなる。

 日本的であろうとしたのだろう、曲はシンプルかつ荘重な雰囲気で始まる。だが、それがそのまま進行するだけで特に盛り上がりを見せぬまま、なんとなく終わってしまう。「これで終わりなのか」というのが率直な印象だ。どうせならトラッド風に始まるレッド・ツェッペリンの「天国への階段」のように、後半に曲調をガラリと変えた重厚でハードな演奏を付け加えてほしかった。おそらくそこまでの創作エネルギーがなかったのだろう。ロック史に燦然(さんぜん)と輝く名曲と比較するのは酷かもしれないが。

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