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【話の肖像画】アーティスト・野老朝雄(4)個が群になると強固な絆

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【話の肖像画】
アーティスト・野老朝雄(4)個が群になると強固な絆

野老朝雄さん(宮川浩和撮影) 野老朝雄さん(宮川浩和撮影)

 まず僕は、社会の最小単位である「人」という文字を図案化し、「ヒトビット」パターンと名付けました。ロゴマークはそれを、花のように組み合わせたものです。

 悲しいことですが、被災地でも盗難事件など物騒なことは起きます。一人暮らしのお年寄りなど、見ず知らずの若者らに警戒心を抱く方は少なくない。そこで学生たちは、KASEIのロゴマークの入った黄色のビブス(サッカーをする際に着るベストのような服)を着ることにしました。

 ビブスを着ていると、お年寄りが「あ、KASEIのお兄ちゃんね。ご苦労さま」と言って、初めてお茶を出してくれたという話を聞きました。被災者に安心を与えていると知って、うれしくなりましたね。その後、約110カ所ある被災住宅それぞれのロゴを、学生らが住民とともに「ヒトビット」を使って制作するプロジェクトも広がっています。まさに「人」という個が集まり、群になって協力し合い、強固な絆が生まれていくんだなと感じます。

 「ヒトビット」は僕に属するものではなく、オープンに使ってほしい。熊本がきっかけですが、広く復興や人道支援のロゴとなったらと考えています。

 少し唐突ですけど、2020年のオリンピック・パラリンピックがすべて終了した後、一斉に街中にあるエンブレムの付いたポスター類がはがされ、跡形もなく消えていく喪失感について、今から想像を巡らすことがあります。2020年の後に何を残せるか。以前よりも、自分のやるべきことに対して真剣になれている気がします。(聞き手 黒沢綾子)

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