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【話の肖像画】アーティスト・野老朝雄(1) 「つなげる」をライフワークに

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【話の肖像画】
アーティスト・野老朝雄(1) 「つなげる」をライフワークに

野老朝雄さん(宮川浩和撮影) 野老朝雄さん(宮川浩和撮影)

 実は、今回のエンブレムを構成する45個の四角形は、それぞれ点でしかつながっておらず、互いに重なってはいない。「角が立つ」って言いますよね。かろうじて「和をなしている」状態なんです。

 今後、世界の断絶がなくなることはないでしょう。未来に対してポジティブにはなれない。それどころか、インターネットの普及によって断絶はますます深まり、拡大している。クリスチャンかムスリムか、右か左か、原発に反対か賛成か…などと二元論でとらえる風潮が強まっていますが、本来そんな単純に割り切るなどできない。

 3種の四角形でエンブレムを構成したのは、「3」という数字が民主主義の基本-多数決ができる最少の数-だからです。あなたと私とそれ以外も、きちんと認めてから始めましょう、という意味を込めて。

 世界には多様で相いれない関係性もあるけれど、スポーツを愛する、スポーツマンを敬う気持ちは一緒だと思います。普段はいがみ合っていても、その短期間だけは共に応援し、祝い合う。人がつくった営みの中でも、オリンピックとパラリンピックはそれができる数少ないお祭りだと思うから。(聞き手 黒沢綾子)

【プロフィル】野老朝雄

 ところ・あさお 昭和44年、東京都生まれ。東京造形大デザイン学科建築専攻を卒業後、英国に留学。建築家で美術家の江頭慎さんに師事した。幾何学原理に基づいた、紋様や立体物の制作などで知られる。主な作品に大名古屋ビルヂング(名古屋市)のファサードガラスパターン、2020年東京オリンピック・パラリンピックエンブレム、大手町パークビルディング(東京)のための屋外彫刻作品など。東大や筑波大で非常勤講師も務める。

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