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【話の肖像画】元サッカー日本代表・釜本邦茂(4)メキシコ五輪「メダルなんて思っていなかったです」

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【話の肖像画】
元サッカー日本代表・釜本邦茂(4)メキシコ五輪「メダルなんて思っていなかったです」

元サッカー日本代表・釜本邦茂氏(薩摩嘉克撮影) 元サッカー日本代表・釜本邦茂氏(薩摩嘉克撮影)

 メキシコ五輪の年、単身で西ドイツのクラブチームに短期留学しました。冬だったので外でさほど練習はできなかったけど、チームに8ミリフィルム映像が資料としてそろっていた。毎日毎日、1時間以上フィルム映像を見て研究しました。目に留まったのが、ワールドカップ(W杯)得点王のエウゼビオ(ポルトガル)。「ハーフウエーラインではどういう動きをするのか」「ボールを持っていないときどんな動きをするのか」を徹底して追った。そして、まねしましたね。

 メキシコ五輪では、とにかく調子が良かった。今考えても、どこも悪いところがなかった。メキシコシティーは高地だから酸素が薄い。慣れるまでしんどいが、慣れたら別に問題なかった。

 大会前は、メダルなんて思っていなかったですよ。「ベスト8ぐらいかな」と。マスコミの予想もそうだったし、自分たちもそう思っていた。

 メダルを意識し出したのは、準々決勝のフランス戦に3-1で勝ったあたりからですよ。「金メダルも取れるんじゃないか」と思うようになった。でも、優勝したハンガリーは、ちょっと別格の強さだったね。準決勝ではハンガリーに0-5で負け、銅メダルが懸かった3位決定戦では地元メキシコと対戦した。メキシコは「日本なら楽勝」と油断していたと思うな。

 実際、攻められっ放しで、こちらからは2回ぐらいしか攻めていってないもの。自分が2点を取ったんだけど、よく守ったよね。PKをGKの横山(謙三)さんが止めていなかったら、負けていたでしょうね。

 相手が地元メキシコとあって、競技場には観衆が10万人以上集まった。あんな雰囲気の中で戦ったのは初めてでした。W杯のような雰囲気だったね。(聞き手 江目智則)

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