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「須賀敦子の本棚」刊行へ 未発表の翻訳含む8作品 監修の池澤夏樹さん「個人編集の世界文学全集」

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「須賀敦子の本棚」刊行へ 未発表の翻訳含む8作品 監修の池澤夏樹さん「個人編集の世界文学全集」

今月刊行が始まる『須賀敦子の本棚』シリーズ 今月刊行が始まる『須賀敦子の本棚』シリーズ

 『ミラノ 霧の風景』などのエッセーで知られたイタリア文学者、須賀敦子さん(1929~98年)が手がけた未発表の翻訳などを集めたシリーズ『須賀敦子の本棚』(全9巻、河出書房新社)の刊行が22日から始まる。須賀さんが敬愛していた海外の文学作品などを含めた8作品を収録。親交のあった作家で、監修を務める池澤夏樹さんは「これは、須賀敦子個人編集の世界文学全集」と話す。

 須賀さんは聖心女子大卒業後、パリ、ローマ留学を経てミラノに在住。多くの日本文学をイタリア語に訳して紹介した。1971年に帰国後は上智大教授などを務め、61歳でのデビュー作『ミラノ 霧の風景』で講談社エッセイ賞と女流文学賞を受賞。69歳で、惜しまれつつ世を去った。

 今回のシリーズのなかで須賀さんが翻訳に携わったのは3作品に上る。初回配本となる第1巻はダンテの『神曲 地獄篇(第1歌~第17歌)』の新訳。須賀さんが40代のころに自習用のノートに記していた訳稿をもとに、まな弟子だった藤谷道夫・慶応大教授が訳詩を補いつつ、注釈や解説を加えて完成させた“師弟共訳”だ。池澤さんは「世に問うつもりはなく、若いころの勉強として『神曲』を丁寧に読む作業の延長上でなされた訳。(訳文に触れて)『そうも読めるか』という驚きがあった」と新解釈に満ちた訳文の魅力を語る。

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