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【解答乱麻】道徳教育を見直す視点 麗澤大大学院特任教授・高橋史朗

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【解答乱麻】
道徳教育を見直す視点 麗澤大大学院特任教授・高橋史朗

 4月に全国に先駆けて開設された麗澤大学大学院学校教育研究科道徳教育専攻で、新たな道徳科教育学の理論と実践の体系化を目指した研究が始まった。

 筆者が担当するのは「臨床教育と道徳教育」という科目だ。子供が問題行動から立ち直った教育実践を理論化した臨床教育学の視点から、道徳教育の在り方を根本的に見直すことを目的としている。

 道徳教育の研究指定校でいじめ自殺事件が起きたことは、道徳教育の根本的見直しを迫るものだ。どのような視点で学問的に見直す必要があるのか。

 第一に、「価値観の押しつけ」批判から脱却し子供に内在する道徳性を発達段階に応じた徳育の内容と方法でいかに保障するか、という観点への転換。

 第二に、道徳的価値の知的理解にとどまらず、「感じ、見つめ、深め、自覚させる」感知合流の道徳教育への深化。筑波大学大学院の「感性認知脳科学専攻」の「感性科学」の研究成果を参考にしつつ、道徳的感性を育み、道徳的価値の「自覚」へと高める内容と方法の確立。

 第三に、道徳・心の教育についての危機管理的、対症療法的な発想に裏付けられたイデオロギー的固定観念からの脱却。いじめ等の問題行動は、教育者自身の子供観や教育観を問い直す好機であり「他を救うにあらず己を助くるにあることを悟る」(廣池千九郎)ことが必要。

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