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【アート 美】「ミラクル エッシャー展」 奇想生んだ「源泉」探る

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【アート 美】
「ミラクル エッシャー展」 奇想生んだ「源泉」探る

「相対性」1953年 リトグラフ すべてイスラエル博物館蔵 All M.C.Escher works copyright?The M.C.Escher Company B.V.-Baarn-Holland.All rights reserved.www.mcescher.com 「相対性」1953年 リトグラフ すべてイスラエル博物館蔵 All M.C.Escher works copyright?The M.C.Escher Company B.V.-Baarn-Holland.All rights reserved.www.mcescher.com

 3つの引力が交差する奇妙な空間。階段を昇降する人間たちは、同じ建物内にいるように見えて、異なる世界に住んでいる。

 オランダ生まれの奇想の版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャーの名作「相対性」。非現実の空間だが、整然とつじつまが合っているように思えるから不思議だ。こうしたエッシャーの魔術的なイメージは映画や絵本、漫画などファンタジーの世界と相性がいい。近年でも米映画「ナイトミュージアム エジプト王の秘密」(2014年)の中で、主人公らが「相対性」の空間で右往左往するシーンが描かれている。

 エッシャー独特の版画表現はいかに生まれたのか。上野の森美術館(東京)で開催中の「ミラクル エッシャー展」は、8つのキーワード(科学/聖書/風景/人物/広告/技法/反射/錯視)を通じて希代の版画家のオリジナリティーをひもとく企画だ。展示作152点はイスラエル博物館(エルサレム)が所蔵するもので、日本初公開。

 同博物館の学芸員、ロニット・ソレックさんはエッシャーに多大な影響を与えた2人の人物を挙げる。

 まずは、オランダの建築装飾美術学校時代にエッシャーを版画の世界に導いた恩師、ド・メスキータ。ユダヤ系だった師は第二次大戦中にナチスに捕らえられ悲劇的な死を遂げるが、エッシャーは彼の肖像を常に書斎に飾っていたという。

 エッシャーは生涯、自らを芸術家というより、真摯(しんし)で職人的な「版画家」だと自負した。木版、リトグラフ、メゾチントなど多様な技法を高度に発展させ、白と黒の間の無限の階調とコントラストを愛した。

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