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【科学の先駆者たち】野崎京子・東京大教授 常識破りの触媒開発、多様なプラスチック生産に道

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【科学の先駆者たち】
野崎京子・東京大教授 常識破りの触媒開発、多様なプラスチック生産に道

常識破りの発想で多様な触媒を開発した野崎京子・東京大教授=東京都文京区の東京大 常識破りの発想で多様な触媒を開発した野崎京子・東京大教授=東京都文京区の東京大

 現代社会には多様な合成樹脂(プラスチック)があふれている。その生産に必要な、化学反応を自在に制御する「触媒」という物質を次々に開発し、着色できるレジ袋など身近な製品をより効率的に作る道を開いたのが東京大教授の野崎京子さん(54)だ。

 成形が容易で軽く丈夫なプラスチックは、小さな分子を化学合成によって何千個もつないで作る高分子化合物だ。多種多様な小さな分子を結び付ける反応は触媒が制御し、促進させる。だが触媒の機能はさまざまで、狙った物質以外のものができてしまったり、反応の効率が悪かったりすることもある。

 野崎さんは京都大の助手だった1991年、さまざまな薬や化学製品の原料になる「アルデヒド」という比較的小さな化合物を効率的に作る触媒の開発を始めた。当時注目されていたのが金属に有機分子を2つ結合させた「金属錯体触媒」。金属と有機分子の組み合わせを変えることで新たな機能を探る競争が激化していた。

 多くの研究者は、同じ有機分子を2つ結合させていた。その方が反応の効率が上がり、異なる有機分子を使うと反応が複雑になって効率が下がると考えられていたからだ。

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