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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈27〉】人間の品格について

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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈27〉】
人間の品格について

会見をする日本大アメリカンフットボール部の内田正人前監督(手前)と井上奨コーチ=5月23日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影) 会見をする日本大アメリカンフットボール部の内田正人前監督(手前)と井上奨コーチ=5月23日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

対照的だった2つの会見

 平成9年の第一勧業銀行(現・みずほ銀行)総会屋利益供与事件に際し、広報部次長として何度も謝罪会見を実施した経験を持つ作家の江上剛さんは後年、こんなことを書いている。

 《謝罪会見に臨む。数百人もの社会部記者が、今にも襲いかからんばかりに目の前にいる。マイクの列は銃に見え、カメラのレンズは大砲のようだ。全てが自分の命を狙っている》

 「謝罪会見の経験はギネス級」と自認する江上さんですら震え上がるのだ。

 5月22日、そんな席に20歳になったばかりの青年が座った。全日本大学アメリカンフットボール選手権大会で最多の28回の優勝を誇る関西(かんせい)学院大学ファイターズと21回優勝の日本大学フェニックスの定期戦(6日)で、悪質なタックルを食らわせて関学大選手にケガを負わせた日大選手である。

 青年は日本記者クラブという場所で、百戦錬磨の記者たちから容赦のない質問をぶつけられた。カメラは一挙手一投足、表情のかすかな変化も見逃すまいと銃のように照準を合わせている。まさに標的だ。

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