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【話の肖像画】ノンフィクション作家・沖藤典子(4) 体験を20日で書き上げた

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【話の肖像画】
ノンフィクション作家・沖藤典子(4) 体験を20日で書き上げた

スウェーデンにはその後も視察で赴いた =平成18年(本人提供) スウェーデンにはその後も視察で赴いた =平成18年(本人提供)

 同人誌に発表したときのタイトルは「重たき日々」でした。「女が職場を去る日」は、編集者がつけてくれたタイトルです。嫌でしたね、敗北めいていませんか。皆は「いいタイトルだ」とほめてくれるんですけどね。今は慣れてしまいました。この1作で一生生きてはいけない、次を書かなくてはと決意しました。

 〈次作のテーマは介護福祉。父の介護で「これでは安心して年がとれない」と痛感していた〉

 当時の介護は「措置」制度が主で、普通の暮らしをしている人は介護に困っていました。日本は家族がしっかり介護をするのが一般的でしたから、国もその文化に頼っていたのでしょうね。昔は福祉のお世話になるのを嫌がる人も多かった。

 特別養護老人ホームで働かせてもらい、どのようなサービスが受けられるのか、入所者はどのように思っているのか、知ることができました。そこでも「施設に入れるなんて」と親を入所させるのを嫌がる家族がいました。たいてい息子です。自分は介護するわけではない。息子の妻がしている。その妻が倒れてしまったというのに。

 〈56年、福祉国家として知られるスウェーデンなどの施設を見学に行く〉

 介護施設は個室で明るかった。日本でも高齢者を取り巻く環境が変わってほしいと思い、帰国後、「銀の園 ちちははの群像」を書きました。介護問題の作家として、講演や原稿の依頼が舞い込むようになりました。

 そうしたら夫が東京に転勤になったのです。私が悩みに悩んで仕事を辞めて札幌に来て、本を書いて忙しくなったら、また東京です。札幌に来て6年が過ぎていました。57年、再び一家で神奈川県の家に戻ったのです。(聞き手 小川記代子)

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