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【編集者のおすすめ】PTAの本質…なぜ、これほど権威的なのか 『PTA不要論』黒川祥子著 

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【編集者のおすすめ】
PTAの本質…なぜ、これほど権威的なのか 『PTA不要論』黒川祥子著 

『PTA不要論』黒川祥子著 『PTA不要論』黒川祥子著

 「役員決めで19時まで教室に軟禁された」

 「広報紙の印刷を安いところに替えようとしたら、OGから怒鳴り込まれた」

 「区議選狙いのPTA会長が、留任もくろみ、推薦用紙を偽造した」

 PTA(Parent-Teacher Association)について聞かせてほしいと言うと、多くの保護者が喜んで引き受けてくれた。ただし、「自宅から離れた場所」で、「絶対匿名」が条件。語られるトラブルの多さ、その内容に驚きながらも納得した。取材中、ある母親が「子供には絶対に見せられない」と言ったのもうなずける。また、個々の事例の根本にある要因は共通していた。

 なぜ、これほど権威的なのか。そしてなぜ、OB・OGにまで従わねばならないのか。著者は多方面に取材を重ね、行政の末端組織というPTAの本質をあぶり出す。

 国レベルのPTA組織に加盟する公立小中学校の児童・生徒は840万人。その保護者と教職員、連携する高校などを含めると、ゆうに1千万人を超える日本最大規模組織は「卒業」しなければ、要不要を問うだけで「匿名」とならざるをえない一面を持つ。

 なぜなら本来「任意のボランティア」なのに、退会を申し出た保護者の子供はイベントに参加させない、プレゼントを配らない、実費負担も認めない等さまざまな嫌がらせがおき、訴訟にまで発展しているからだ。理不尽な目にあったときは、それを根本から考えてみる必要がある。本書がその一助となれば幸いだ。(新潮新書・740円+税)

 新潮新書編集部 二児の保護者

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