産経ニュース

陛下の「お言葉」 未来見据えられ

ライフ ライフ

記事詳細

更新


陛下の「お言葉」 未来見据えられ

宮中晩さん会で、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席(左)と乾杯される天皇陛下=30日夜、皇居・宮殿「豊明殿」(代表撮影) 宮中晩さん会で、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席(左)と乾杯される天皇陛下=30日夜、皇居・宮殿「豊明殿」(代表撮影)

 宮内庁によると、平成に入り、国賓を招いての宮中晩餐(ばんさん)会は、今回が63回目となる。天皇陛下はお言葉で相手国の文化、日本や皇室との関係に触れながら、親善に努めてこられた。近年は歴史を踏まえつつ、未来を見据えた友好関係構築を願うご姿勢がうかがえる。

 「痛惜の念を禁じえません」。平成2年、韓国・盧泰愚大統領を招いた晩餐会で、陛下は先の大戦について「両国の間に不幸な過去が存したことは誠に遺憾」との昭和天皇の言葉を引用した後、こう述べられた。10年に同国の金大中大統領を招いた際は「深い悲しみは、常に、私の記憶にとどめられております」とご言及。お言葉は政府見解なども踏まえ、直前まで陛下が推敲されるが、その内容は国内外の注目を集めた。

 一方、近年は「未来」に力点を置いたお言葉が続いている。20年、中国・胡錦濤国家主席を迎えた晩餐会では「未来に向けて友好のきずなを深めていくこと」をご希求。26年にオランダ・アレクサンダー国王を招いた際は、先の大戦について「記憶から消し去ることなく、これからの二国間の親善に更なる心を尽くしていきたい」と表現された。

 宮内庁幹部は「友好を深めるためにも過去を忘れてはならないというお気持ちは一貫している」としたうえで、譲位後は新天皇、新皇后が晩餐会を主催されることを踏まえて「国際親善も次代につなぐことをお考えなのではないか」と話した。

「ライフ」のランキング