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抗がん剤、副作用の手足しびれ 点滴中の冷却で予防も 設備など普及には課題

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抗がん剤、副作用の手足しびれ 点滴中の冷却で予防も 設備など普及には課題

 利き手側の手足に冷却手袋とソックスを装着した研究チームの華井明子さん  利き手側の手足に冷却手袋とソックスを装着した研究チームの華井明子さん

 乳がんや卵巣がんなどの治療に広く使われる抗がん剤、パクリタキセルの副作用である手足のしびれは、点滴中に手足を冷却するとかなり予防できると、京都大チームが医学専門誌に発表した。副作用のしびれは発症すると治療が難しく、予防策が求められていた。

 華井明子大学院生(現国立がん研究センター特任研究員)、石黒洋特定准教授(現国際医療福祉大教授)らのチームは、平成26~27年に京大病院でパクリタキセルによる治療を受けた女性乳がん患者40人を対象に研究を実施した。

 点滴中、保冷剤を封入した特殊な手袋とソックスを患者の利き手側の手足だけに装着して冷却し、12週間の治療終了時点で左右のしびれの程度を比較した。

 触覚、温度感覚などの客観的な検査と、自覚症状で評価したしびれは、冷却側の方が少なく、例えば、冷却しなかった側の手で80・6%、足で63・9%発症した触覚の異常は、冷却した側では手で27・8%、足で25・0%にとどまった。

 一方で、この方法の普及には課題がある。副作用予防を目的とした手足冷却には健康保険の適用がなく、安全に冷却を行うための設備や人員を十分に確保できない病院も多いためだ。

 がん治療の副作用軽減策(支持療法)に詳しい国立がん研究センターの内富庸介・支持療法開発部門長は「今回のように有効性が明らかになったものについては、保険適用をはじめ、普及の後押しをする必要がある」と話している。

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