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【原発最前線】再燃するトリチウム水問題 主体性なき東電に批判も

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【原発最前線】
再燃するトリチウム水問題 主体性なき東電に批判も

廃炉作業が続く東京電力福島第1原発の建屋(本社チャーター機から、川口良介撮影) 廃炉作業が続く東京電力福島第1原発の建屋(本社チャーター機から、川口良介撮影)

 「仮に、海に放出しないという決定がなされた場合、東電はどうするつもりなのか」。東京電力福島第1原発でたまり続けるトリチウム水について、5月18日に開かれた廃炉検討会で、「海洋放出が唯一の手段」とする原子力規制委員会から東電に厳しい問いが投げかけられた。処理方法について結論を出せない国の小委員会と、主体性を見せない東電。タンクの増設限界が迫る中、事態は膠着(こうちゃく)したままだ。

(社会部編集委員 鵜野光博)

「国の判断に従う」東電

 汚染水処理装置でトリチウム以外を除去した処理水は、第1原発に現時点で約87万トンたまっており、タンクの容量(91万トン)に迫っている。処理方法を検討する資源エネルギー庁は、地層注入▽海洋放出▽水蒸気放出▽水素放出▽地下埋設-の5つに絞り込み、平成28年11月からは、社会学者を入れた小委員会で風評被害対策を含めて検討が重ねられているが、結論が出る時期は見通せない。

 規制委の更田(ふけた)豊志委員長は「希釈しての海洋放出が現実的に取り得る唯一の手段」としており、放出を決めてから実行までの準備に数年を要するため、年内の決断を求めている。

 18日の検討会で、規制委の山形浩史・緊急事態対策監は、こう切り込んだ。「仮に小委で『放出しない』という決定がなされた場合、東電はどうするつもりなのか」。

 「小委で検討をいただき、それを踏まえて国の方で判断されることになっている。われわれとしてはそれに従う」と、東電の廃炉・汚染水対策責任者を務める小野明氏。

 山形氏は「小委でずっと結論が出ない状況になった場合、どうされるのか。小委は有識者の集まっている場で、意思決定の場ではない。東電は小委で結論が得られると思っているのか。『従う』という言葉を使ったが、当事者の東電が『こうさせてください』というのが筋なのではないか」と迫った。

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