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【産経の本】『神話のなかのヒメたち もうひとつの古事記』産経新聞取材班 現代に通じる女性の「強さ」

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【産経の本】
『神話のなかのヒメたち もうひとつの古事記』産経新聞取材班 現代に通じる女性の「強さ」

『神話のなかのヒメたち もうひとつの古事記』産経新聞取材班 『神話のなかのヒメたち もうひとつの古事記』産経新聞取材班

 皇后さまが幼少期の読書の思い出として、平成10年の国際児童図書評議会で触れられ、話題になったヒメの話がある。

 ヤマトタケルが東国の反乱者たちの討伐(東征)に向かう途中、走水の海で暴風雨に遭遇し、行く手を阻まれた。走水の海は現在の東京湾浦賀水道の海峡。もともと潮の干満による海流が、太平洋と湾内を行き来する難所だった。

 このとき、ヤマトタケルを海にのみ込もうとする渡(わたり)の神を鎮めるため、身代わりを申し出たのは后(きさき)のオトタチバナヒメである。「父である天皇から命じられた使命を果たし、無事に報告なさいませ」と言い残し荒海に消えた。

 ヒメが海中に入ると、海は鎮まった。ヒメの安否を気遣い、ヤマトタケルは7日間上陸地に留(とど)まった。流れ着いたヒメのくしを取り上げ、御陵を造って納めた。ヤマトタケルの「東征」は、オトタチバナヒメの献身で成功したことを古事記は示唆している。

 本書は、神話や古代史のヒメに焦点を当て、その現場を取材。登場するヒメの中に、現代にも通じる女性の「強さ」を確認できて面白い。そして、ヒメたちが存在しなければ、日本の歴史も存在しないことがわかる。(産経新聞出版・1400円+税)

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