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【解答乱麻】学び続ける楽しさ 参院議員・山谷えり子

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【解答乱麻】
学び続ける楽しさ 参院議員・山谷えり子

 先月は入社式などに招かれることも多かったが、フレッシュマンの生気に触れ、「ああ、日本の未来は大丈夫だなあ」と心強く感じられた。

 とはいえ、社会は学校ほど単純なところではない。特に昨今は、雇用の流動化、中途採用の増加、専門の複雑化などで一律の社員教育もできにくくなっている。

 私が就職した時代は、女性が長く勤めることは期待されておらず、私自身最初に入社した会社は不振で、次は途中入社となったため、集団の社員教育は体験できなかった。それでも、楽しく懐かしい思い出はある。

 生まれて初めて名刺を刷ってもらった時、先輩記者が声をかけてくれた。「オッ、名刺ができたか。一枚目は誰に渡すの?」。意味がわからずポカンとしていると、その方はニコニコと「僕はね、大臣に渡したんだよ。お会いしたこともない大臣の部屋にトコトコ入っていって“新米記者の一枚目の名刺を受け取ってください。いい仕事をしたいと思います”と言ってね。媚(こび)を売るというケチな発想でなく意欲を表すものとして。君も誰に渡すか考えてごらん」と、歯切れよく言われた。

 ああ、仕事というのは頭をやわらかくし、心意気でするものだと目がさめる思いだった。分をわきまえ謙虚であることは大切だが、心意気や努力に裏打ちされない謙虚さは、組織の中でもまれていくうちに卑屈さや依存につながって汚れていく危険もあろう。

 幸いなことに日本は“道”の文化の国である。日々是好日と一日一日をフレッシュな気持ちで歩む気風の先人たちから学ばせていただける環境があちこちにあってありがたい。

 このところ、3人の先生の長寿のお祝いが続けてあった。

 一人は宗教哲学の師で「問知処」と書かれた米寿記念の扇子をいただいた。「知らぬ事を問うのは当然ですが、既に知っていると思っている事を問い続けることが大切。私はこれから先も知っている事をこそ問い続けていきます」と言われ、その生新な格好良さに感じ入った。

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