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【科学】人類交代劇、小脳が引き金か ネアンデルタール人の化石分析

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人類交代劇、小脳が引き金か ネアンデルタール人の化石分析

化石から解析した脳の立体図 化石から解析した脳の立体図

 約3万年前に絶滅したネアンデルタール人は、初期の現生人類(ホモ・サピエンス)よりも小脳が小さかったことを、慶応大や名古屋大などの研究チームが化石の分析で解明した。この差がネアンデルタール人と現生人類の交代劇につながったとみられるという。

 研究チームは、7万~4万年前のネアンデルタール人の頭骨化石4個と13万~3万年前の現生人類の頭骨化石4個について、コンピューター断層撮影(CT)のデータから大脳や小脳の形を立体的に解析。大脳に対する小脳の容積比は、現生人類の平均13・5%に対し、ネアンデルタール人は同12・7%と小さかった。

 脳の後方の下部に位置する小脳は主に運動能力を担うが、現代人を対象とした近年の研究で、大きいほど記憶や言語の能力に優れ、複雑な思考が可能になることが分かってきている。

 欧州では、ネアンデルタール人は後から出現した現生人類と約4万年前から約5千年にわたって共存していたが、後に絶滅。現生人類が生き残った。慶大の荻原直道教授は「小脳の機能差が環境への適応能力の違いにつながり、現生人類の生存に有利に作用した可能性がある」とみている。(伊藤壽一郎)

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