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【マンスリー将棋】棋士はどのように最善手を選ぶか 「最悪なのはやる気ない状態」 羽生善治棋聖講演

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【マンスリー将棋】
棋士はどのように最善手を選ぶか 「最悪なのはやる気ない状態」 羽生善治棋聖講演

沼津市民文化センターで講演する羽生善治棋聖 沼津市民文化センターで講演する羽生善治棋聖

 永世七冠を達成し、国民栄誉賞も受賞した羽生善治棋聖(47)が、タイトル戦のヒューリック杯棋聖戦五番勝負の開催地でもある静岡県沼津市で4月25日夜、約1時間半にわたり、「決断力を磨く」をテーマに講演を行った。時の人の講演とあって、会場の沼津市民文化センター大ホールは約1500人の聴衆で満席となった。

 棋士はどのようにして最善手を選ぶのか-。「直感」「読み」「大局観」の3つを使うという。将棋は平均約80の選択肢があり、それを1秒にも満たない直感で2~3に絞る。選んだ3つの先を読む。その数はネズミ算式の掛け算で爆発的に増えるため、最後に使うのが大局観。現在までの経験を振り返り、方向性や戦い方を決める。「『木を見て森を見ず』の逆が大局観です」

 不調に陥ったとき、それが実力なのか運なのか-。「不調も3年続けば実力という言葉があります。不調のときは髪形を変えるとか趣味とか小さなアクセントで乗り越えることにつながります」

 将棋に限らず、誰もがプレッシャーは感じる。しかし、プレッシャーを感じているときも悪い状態ではないという。「最悪なのはやる気のない状態」と指摘。「プレッシャーを感じるのは良いところまで来ている証拠。何らかの手応えを感じているときに抱くもの」と説いた。

 羽生棋聖といえど失敗はある。「1手詰めの局面に気がつかなかったこともありました」と明かし、「ミスをしたときはミスを重ねないためにまずは一服。反省と検証はとりあえず横に置き、集中して挽回すること」と語った。(田中夕介)

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