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容姿や性、人間関係など、がん患者に「語らぬ悩み」 アンケートで浮き彫り

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容姿や性、人間関係など、がん患者に「語らぬ悩み」 アンケートで浮き彫り

 久村和穂金沢医大講師  久村和穂金沢医大講師

 がん患者が抱える悩みには、容姿や性、人間関係など、医療者に助けを求めにくい種類があることが金沢医大講師でソーシャルワーカーの久村和穂さんらの調査で分かった。情報があれば解決できる問題も多く、各地の拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」などですくい上げる工夫が求められそうだ。

 石川県内で通院治療や経過観察中の患者に匿名でアンケートを実施。生活や医療に関する24種類の悩みについて深刻さと支援の必要性を尋ねると、「困っているのに助けは求めない」悩みが見えてきた。回答した109人の平均年齢は64歳、女性が60%だった。

 抗がん剤治療に伴う脱毛や爪の変色など「容姿の変化」には41%が困っていた。ウィッグ(かつら)の活用など外見ケアを学び、助言できる看護師も増えているが「助けが必要」と答えたのは困っている人の28%のみ。

 「仕事」に困っている人は18%いたが、支援が欲しいとしたのはその一部。他方、休職中に傷病手当金が受給できるのを知らない人が多いことは、別の調査で明らかになっている。

 「性に関すること」「家族との関係」でも支援を求める回答は少なかったが、例えば治療で子供を持つ能力が失われる可能性がある場合は治療開始前に医師に相談することで回避策を探れるし、子供へのがんの伝え方については、パンフレットや相談員の助けを借りる道もある。

 久村さんは「治療以外の悩みを医療者に相談することに遠慮や諦めがあるのかもしれない」と推測。「支援可能な項目を一般論として早めに伝えるなど、対応を工夫する必要がある」と話す。

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