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【平成30年史 デジタルが変えた文化(1)】全てはポケベルから デジタル化が生む「SNSムラ社会」

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【平成30年史 デジタルが変えた文化(1)】
全てはポケベルから デジタル化が生む「SNSムラ社会」

ポケベルからスマホへの変遷 ポケベルからスマホへの変遷

 運営するLINE株式会社は「ツイッターやフェイスブックのような『新たな出会い』を主眼としたセミオープン型SNSよりも、身近な友人や家族、同僚など『大切な人とのコミュニケーション』をサポートするようなクローズド型SNSが求められていると判断した」とサービスを開始した背景を明かす。

 メールなど従来型のデジタルコミュニケーションと比べると、LINEの際だった特徴は、用意された絵を送受信して自分の感情を伝える「スタンプ」機能にある。同社は、携帯で発展した絵文字を拡大するという発想を元に「よりカジュアルに、インスタントに、そして言葉では伝えることが難しい微妙な感情を表現できる方法」とスタンプを位置づけている。もはや文章も必要なくなり、フレーズ単位のコミュニケーションも当たり前となった。

 ポケベルからLINEへ。二十数年のコミュニケーションの変化は、何を変えたのだろうか。

                   

 情報の肥大化、閉じた人間関係

 社外あてのメールには最初にあて名を書き、次にあいさつと名乗りを。メールの横幅が長くなり過ぎると読みづらいため、30~35文字程度で折り返すこと…。

 損害保険大手の三井住友海上火災保険は、4月に行う新入社員研修の一環として電子メールの書き方を基本から教えている。メールソフトの基本機能の解説をはじめ、ビジネスでの敬語の使い方、主語と述語をきちんと対応させる文章表現指導など、微に入り細をうがった内容だ。

 同社が講習を始めたのは5年ほど前から。昨年度の研修を担当した人事部能力開発チーム主任(当時)の佐藤絢(34)は、研修を行う理由について「一言でいえば、時代の流れ。(スマホがあるので)今は自分のパソコンを持っていない学生も少なくない。LINEを用いた気軽なやりとりがスタンダードになっており、比較的長くフォーマルな文章を書くことが年を追うごとに苦手になっている」と明かす。指導中によく見かける間違いとしては、書き言葉の中にくだけた話し言葉が交じる傾向があるという。

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 書き言葉と話し言葉の融合は、デジタルコミュニケーションの特徴といえるかもしれない。約15年前から携帯メールと若い世代の言語表現の変化の関係を研究してきた社会言語学者で東洋大教授の三宅和子は、こう指摘する。

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