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骨と同成分の材料開発 九大、歯のインプラントで製品化

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骨と同成分の材料開発 九大、歯のインプラントで製品化

移植を受けた患者のCT画像。点線内は新材料が骨に置き換わっている(九州大提供) 移植を受けた患者のCT画像。点線内は新材料が骨に置き換わっている(九州大提供)

 九州大の石川邦夫教授(歯科・生体材料学)は、骨の主成分である「炭酸アパタイト」を顆粒(かりゅう)状にした新しい人工骨材料を開発し、歯のインプラント手術にも使える製品として実用化したと発表した。

 インプラント手術では顎の骨に人工歯根を埋め込んだ上で人工の歯をかぶせる。顎の骨が欠けたり、足りなかったりすると体の別の骨を移植しなければならなかったが、人工材料で骨を補えれば、患者負担が大きく軽減されるとしている。

 粉末状の炭酸アパタイトの製造技術は以前からあったものの、粉末のまま体に入れると炎症を引き起こす難点があった。石川教授らは、粉末より粒が大きい顆粒にした炭酸カルシウムの組成の一部を置き換える方法で、顆粒の炭酸アパタイトを作ることに成功。動物への移植実験で、既存の骨とつながり、骨に置き換わることを確かめた。

 その上で、九大と東京医科歯科大、徳島大が協力し臨床試験(治験)を実施。22人の患者に新材料を移植し、計27本のインプラントを設けた。

 治験の結果は、新材料を移植して骨が太ってからインプラント手術をする方式と、インプラントと同時に新材料を移植する方式のいずれでも、患者の骨と新材料、インプラントが一体化した。石川教授は「歯科では全ての骨の再建に使え、整形外科分野でも応用できる。移植した新材料に造血機能などを担わせることも目指したい」と話す。新材料を使った製品は歯科材料・機器の製造販売会社「ジーシー」(東京)の骨補填(ほてん)材「サイトランス グラニュール」。

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