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【きょうの人】「AIホスピタル」ディレクター・中村祐輔さん「人間愛なくして医療と呼ぶには値しない」

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【きょうの人】
「AIホスピタル」ディレクター・中村祐輔さん「人間愛なくして医療と呼ぶには値しない」

中村祐輔教授 中村祐輔教授

 「頭脳流出」の懸念は杞憂(きゆう)だったようだ。世界級の医学研究者である米シカゴ大医学部の中村祐輔教授が6年ぶりに帰国し日本のために働く。内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のディレクターに公募で選ばれ、20日に任命された。担当するのは「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」の構築だ。

 新しい薬や医療機器が次々に登場するなど医療が高度化・複雑化する中で、人工知能(AI)をフルに活用して病気の診断をより正確に行うとともに、医療従事者の負担を軽減し、医療の効率化、医療費の抑制を目指す。

 専門はゲノム(全遺伝情報)研究だ。2003(平成15)年にヒトの全遺伝情報が解読されたが、その十数年前にがんの関連遺伝子を発見するなど遺伝医学のトップランナーとして知られる。

 プロジェクトではゲノムにも着目し、AIで遺伝子を網羅的に解析して個々の患者に合った治療法を提示する。「人間愛なくして医療と呼ぶには値しない。現在の医療で取り残された患者さんを一人でも救いたい」という思いがある。

 プロジェクトは5カ年計画で、異例の大型予算が組まれる見込みだ。シカゴ大は永年契約だったが、6月末で辞し、7月から本格活動する。かつて民主党政権にはしごを外され、内閣官房医療イノベーション推進室長を途中で辞任したことも。この間、「日本の医療は10年遅れた」と焦燥感を抱く。だからこそ「AIによって医療改革を行い、世界をリードしたい」と意気込んでいる。(編集委員 大家俊夫)

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