産経ニュース

【書評】『AI VS.教科書が読めない子どもたち』新井紀子著 「人間にしかできない仕事」一致して希求する流れへ

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【書評】
『AI VS.教科書が読めない子どもたち』新井紀子著 「人間にしかできない仕事」一致して希求する流れへ

『AIvs教科書が読めない子どもたち』新井紀子著(東洋経済新報社・1500円+税) 『AIvs教科書が読めない子どもたち』新井紀子著(東洋経済新報社・1500円+税)

 東大合格を目指して開発を進められた人工知能・東ロボくん。本書の著者である新井紀子は、そのプロジェクト・リーダーであった。

 2016年、東ロボくんは、全受験生の上位20%に入るところまで進化する。しかしこの段階で、東ロボくんは合格を断念した。

 理由は、本書にこう説かれている。人工知能=AIは計算をするだけで、意味を読むことはできない。たとえばAIは、将棋のような「単一条件に支配された世界」では名人にも勝つ。一方、単純な文章と、それをグラフ化したものを照応させられない。文章とグラフでは構成原理が違い、そうしたものの相互比較はAIには難しいのだ。

 東大入試には計算のみでは対処できない。そしてAIが計算機を脱却する日は「今の子ども世代が目の黒いうちは来ない」と新井は述べる。

 東ロボくんは当初から「計算機が到達できる限界」に突きあたると予測されていた。上位20%に入った段階でそこに達したと開発チームは判断したのである。AIが人間を全面的に超える「シンギュラリティー(技術的特異点)」も「計算機の限界」ゆえに起こらないと新井は断言する。

 それでも現状のままでは、多くの労働者がAIに雇用を奪われる未来は避け難い。

続きを読む

「ライフ」のランキング