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【書評】『日本酒の人 仕事と人生』山同敦子編著 6人の杜氏が銘酒を造り上げるまで

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【書評】
『日本酒の人 仕事と人生』山同敦子編著 6人の杜氏が銘酒を造り上げるまで

『日本酒の人 仕事と人生』山同敦子編著 『日本酒の人 仕事と人生』山同敦子編著

 日本酒に二級酒なるものが存在したのはすでに昔。今では各地の美酒が、広く一般に飲まれるようになっている。全国に1400あるという日本酒の酒蔵から女性編者が5つの銘酒と酒蔵を選び、酒造りに取り組む杜氏(とうじ)6人へのインタビュー取材をまとめたのが本書だ。焦点は人。

 会津「飛露喜」の廣木健司氏、沼津「白隠正宗」の高嶋一孝氏、福岡「若波」の今村友香氏(女性)のように蔵元に生まれた人のほか、湘南「天青」の五十嵐哲朗氏は元の家業が醤油(しょうゆ)の醸造業、「若波」のもう一人の杜氏・庄司隆宏氏は信金勤めからの転身、秋田「天の戸」の森谷康市氏は農家の9代目。

 経歴はまちまちだが、意外にも当初はうまい酒造りなどまるで目指していなかったという点で共通している。安さばかりが求められ、日本酒は魅力を失いかけていたのかもしれない。廣木氏でさえ、廃業を視野に一度はウイスキー会社に就職したほどだ。

 そんな人たち(40、50代中心)が、人や美酒との出会いによって、まるで細胞が目覚めたかのようにうまい酒造りに血道を上げるようになり、ついには銘酒を造り上げているのがおもしろい。

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