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【編集者のおすすめ】食の世界をリアルに追体験 『佐野洋子の「なに食ってんだ」』

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【編集者のおすすめ】
食の世界をリアルに追体験 『佐野洋子の「なに食ってんだ」』

 車座になって、食べ、飲み、しゃべり続けるたくさんの大人たち。そこに、次々と手作りの大皿料理を運んでくる洋子さん…。そんな場面にいた幼い頃の私の記憶がこの企画の原点だ。

 洋子さんとは、絵本『100万回生きたねこ』の作者、佐野洋子さん(1938~2010年)のこと。時を経て食をテーマに洋子さんの本を作ることを思い立ち、絵本、エッセー、小説などの著作から料理や食べ物に関する文章を抜き出した。600を超える抜粋を読んでみる。喜び、悲しみ、怒り、興奮、そして強すぎる好奇心。食の思い出と、その時の気持ちがたった今のことのようにつづられ、その鮮明さに圧倒された。

 本書は、その中から厳選した文章に、さまざまな絵や写真を組み合わせて構成。「パンパンにご飯が詰まったとにかく大きいいなり寿司」など定番料理のいくつかは息子さんが再現し、お気に入りだった食器や調理器具とともに紹介した。佐野洋子の食の世界を、ビジュアルでリアルに追体験することができる。石、セーター、新聞紙。食べ物ではないものを口に入れた話も登場するが、どれも「佐野洋子らしい」エピソードで、迷わず採用した。

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