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【文芸時評】4月号 早稲田大学教授・石原千秋 「仮想通貨」とは、ほとんど文学だと思う

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【文芸時評】
4月号 早稲田大学教授・石原千秋 「仮想通貨」とは、ほとんど文学だと思う

石原千秋早稲田大学教授 石原千秋早稲田大学教授

 「仮想通貨」も悪いことばかりではない。アメリカにシェールガス革命が起きる前、石油の代替エネルギーにトウモロコシを使おうと発案されて、トウモロコシが投機の対象となったためにブラジルで深刻な環境破壊が起きた。現実世界の投機に向かうお金が「仮想通貨」に向かって泡と消えれば、環境破壊も起きない。お金のない人間の天下の暴論である。それで何を言いたかったのか。人は言葉の呪縛、記号の呪縛から逃れることはできないということである。文学は「言葉の芸術」(中村光夫)だが、それは言葉を使いながら、言葉では言えないことを書こうとする芸術だという意味でなければならない。「仮想通貨」とは、ほとんど文学だと思う。

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